北朝鮮圧制

 
 書名をクリックすると、出版社ないしオンライン書店アマゾンの簡単な解説が見られます。邦訳書名は

多くの場合、かなり扇情的なので、注意する必要がある。
 

金賢姫

『告白・いま、女として』(1991)

 日本人に化けて韓国の航空機を爆破し、自決に失敗して逮捕された北朝鮮の工作員の告白記録。北朝鮮の

対外工作活動を生々しく知ることができる。
 

  姜 哲煥/安 赫・共著

『北朝鮮脱出』 上  (1994)

『北朝鮮脱出』 下  (1994)

 強制収容所での著者たちの実際の体験・見聞にもとづいて収容所の悲惨な実態を克明に綴った書物。

 李 英和

『北朝鮮 秘密集会の夜―留学生が明かす"素顔"の祖国 』( (1994)

 総連系の在日朝鮮人ではじめて北朝鮮に留学した若手研究者の祖国見聞録。(「密集会」なるタイトルは

羊頭狗肉。)
 

 朴 春仙 (パク・チュンソン)

『北朝鮮よ、銃殺した兄を返せ!』1994)

 北に帰国した兄弟を銃殺されたうえ、日本人の拉致被害者の原さんになりすました北の工作員、辛光洙

(シン・クワンス)にだまされてハウスキーパーの役目(同棲生活)を果たさせられた在日朝鮮人女性の記録。
 

 萩原 遼

 朝鮮戦争   金日成とマッカーサーの陰謀
 
 朝鮮戦争が北朝鮮側がしかけたものであることを実証した先駆的研究。

ソウルと平壌

『北朝鮮に消えた友と私の物語』(1998)

 この2点は『赤旗』特派員として平壌に滞在した時期の見聞・体験記録。1990年代初頭の北朝鮮の暗部を描く。

とくに後者は、「地上の楽園」に憧れて帰国した親しい在日朝鮮人の消息を追跡。

朝鮮と私 旅のノート(2000)
 

取材ノートだが、氏の『朝鮮戦争   金日成とマッカーサーの陰謀』にたいする和田春樹氏の非難への反批判

収録されている。

 

ファン・ジャンヨブ

 『北朝鮮の真実と虚偽』(1999)

『金正日への宣戦布告』(1999)

続・金正日への宣戦布告  狂犬におびえるな』(2000)
 
 北朝鮮の金正日体制をいかにして打倒するか、金正日後の体制をいかに築きなおすかを詳細に論じた

書物。いうなれば反金正日体制・民主主義革命の綱領、戦略・戦術を示している。北朝鮮体制打倒を

願う者には必読書。


 
ノルベルト・フォラツェン  /瀬木 碧=訳
 
北朝鮮を知りすぎた医者
 
  北朝鮮を知りすぎた医者 国境からの報告 (2001)

冒頭の一節

 「私は北朝鮮を知っていゑ実際にそこで生育地獄と狂気の世界をこの目で見たのだ。

 一九九九年七月、私はドイツの緊急医師団<カツプ.アナムーア>の医師として北朝鮮に入つた。

そこでの生活は国外追放になる二〇〇〇年十二月三十日まで続いた。追放されたのは、人権侵害と

食糧援助がほんとうに必要としている人に行きわたつていないことで当局を批判した直後のことだった。

北朝鮮の飢餓は天災によるものではない。明らかに人災である。それを解決するには体制を打倒する

しか道はないだろう。

 人権は完全に無視されている。農民は国家の奴隷となり、極度の貧困にあえいでいる。彼らが存在する

権利ーー生きる権利さえ、ないがしろにされているかのようだ。ごくふつうの人々が飢え、死んでいく。

そして体制の気まぐれで収容所に監禁される。強制労働は「秩序」を維持するための基本的手段なのだ。
 

 張 仁淑 (チャン・インスク)

『凍れる河を超えて』(上、下、2000)

著者は北朝鮮のエリート設計技師。ウクライナに留学中の息子が韓国に亡命したため、一家で辺境に流刑に

されたが、息子たちの助力で脱北に成功するまでの記録。巨大な記念塔がいかに苛酷な人海作戦で完成された

も語られている。

李 韓永 (イ・ハニョン)

『金正日が愛した女たち』2001)

著者は金正日の妻の姉の息子で、幼少年時代、金王朝の一員として、王朝内部の生活をつぶさに体験した。

これはその宮廷生活の記録。自由をもとめて韓国に亡命(1982)して、この本を書いた(1996)が、1997年

に何者かによって暗殺された。別に大奥物語ではなく、センセーショナルな邦訳タイトルは内容を適切に示し

ているとは言いがたい。原題は、『大同江ロイヤルファミリー・ソウル潜行14年』。

石丸次郎

『北のサラムたち』(2002)

北朝鮮にかんするルポルタージュのたぐいはいろいろあるが、これは中朝国境にあって北朝鮮難民とともに暮らしな

がら、ときは国境を越えて北朝鮮に入り、朝鮮民衆の惨状についてみずから見聞したことを綴った貴い記録である。

脱北者を救うための著者のはらはらするような活躍にはまったく脱帽する。またそこでは、北朝鮮の青年が金正日体

制の打倒のために、情報伝達機器をかかえて国境を越えて祖国を往復する活動についても報告されている。